タラ号、オセアニアおよび東南アジアに向けて出航

© Noëlie Pansiot / Tara Expeditions Foundation

2016年5月、スクーナー船タラ号は船籍港であるフランス・ブルターニュ地方のロリアンを離れ、世界的な気候変動に直面するサンゴ礁の生物多様性と現状に関する貴重な資料を求めて、東から西へと太平洋を渡る旅に出発しました。タラ太平洋プロジェクトチームは、2万6000海里(約5万キロ)を航行して世界15ヶ国を訪ね、サンゴのサンプル1万個以上を採取し、日本と台湾にて学術イベントやキャンペーンなどを開催して実り多い時間を過ごしたところで、その第一段階を完了しました。

 

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しかしタラ太平洋プロジェクトは、まだ道半ばです。タラ号は2017年5-6月に、プロジェクト内で最長の無寄港航海となる台湾/フィジー諸島間を31日かけて航行したあと、この壮大な海洋学的調査の後半部に着手しました。

オセアニア地域、より正確にはフィジー諸島が、新たな探査・調査活動の出発点となります。タラ太平洋プロジェクトチームは、ニュージーランドを出発して、サンゴのエコシステムに関する調査を補完し、フランス国立科学研究センター(CNRS)、パリ人文科学研究大学(PSL)、モナコ科学センター(CSM)および国際的なパートナー研究所の研究者とともに、サンゴのメカニズムと世界規模の気候変動への適応能力についての理解を深めるために、アジア南方を弓状に航海して中国に向かいます。この調査の目的は、COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)のパリ協定に沿って、サンゴのエコシステムの耐性と発展とに将来的に貢献できるようになることにあります。

このプロジェクトの後半部においてタラ号は、比類なき航海士であったピーター・ブレイク卿の出身地であるニュージーランドに寄港します。由緒あるヨットレース「アメリカズカップ」で2度の優勝を果たしたピーター・ブレイク卿は、のちにタラ号となる「シーマスター号」の船主でもありました。ニュージーランドは、このスクーナー船にとっても、その変遷や「アメリカズカップ」の歴史に所縁あるタラ財団の創設者たちにとっても、特別な意味を持つことになる国です。

 

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ピーター・ブレイク卿の功績は、彼が愛し、こんにち「タラ号」として活躍する船上での活動に引き継がれています。写真:アイバー・ウィルキンス(Ivor Wilkins)

 

オーストラリアのシドニー・オペラハウス前での数日間の寄港後に、タラ号は、グレート・バリア・リーフへと北上し、グレート・バリア・リーフに次ぐ大きなサンゴ礁があるフランス領のチェスターフィールド諸島とニューカレドニア方面へと進みます。さらに、生物多様性のまさに「ホットスポット」であるサロンモン諸島とパプアニューギニアへと帆を進め、インドネシアとフィリピンのコーラル・トライアングルに向かいます。この特殊な地域は地球上のサンゴ礁の30%以上を有していますが、そのサンゴ礁の大部分が、都市化、乱獲、汚染、そしてもちろん温暖化現象により絶滅の危機に瀕しています。

2018年2月-3月にタラ号は、地政学的に複雑な状況にある南シナ海を渡って、香港、廈門、台北、上海に寄港しつつ中国のパートナーとの共同研究を行い、一連の寄港やイベントが待つ日本を再び訪れることになっています。

 

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2017年2月の日本への入港の際に日本の国旗を掲揚するタラ号のアーティスト・イン・レジデンスの大小島真木さん(東京出身) 写真:サラ・フレットウェル(Sarah Fretwell)/タラ財団

 

タラ号は、東方から北太平洋とハワイ、そして悪名高き「太平洋ゴミベルト」を通るルートで帰路に着きます。米国への寄港を経て、最後の目的地であるメキシコとコスタリカ、パナマ運河へと南下した後、タラ号のクルーは、2018年10月末にブルゴーニュのロリアンへと帰還する予定です。

ノエリ・パンジオ