タラ号太平洋プロジェクトのタイムライン

© © François Aurat / Fondation Tara Expéditions

タラ号は2016年5月28日にロリアン港を出発した後、何千ものサンゴ、魚、プランクトンのサンプリングのために東から西へ、北から南へ、29カ月の間太平洋を横断しました。このとてつもなく大規模なプロジェクトによって、海に関する総合的な知識は新たな章に入りました。2,677回の潜水調査の後、スクーナー船タラ号はついに2018年10月27日に母港へと帰還しました。この素晴らしい科学と人間の冒険を、動画で振り返ってみましょう。

July 2016

タラ号は大西洋を渡り、パナマ運河を横断しました。それは太平洋プロジェクトが始まる重要な瞬間でした。巨大なパナマックス船(世界の大洋を制約無く航行できる最大サイズの船)が,閘門から閘門へと渡っていく中、タラ号は予定から30時間遅れでパナマ湾に到着しました。タラ号がパナマ運河を抜ける瞬間の動画ですRelive the crossing of the Panama Canal.

CREDITS MAEVA BARDY-CANAL PANAMA-ATLANTIC LOCK-5Crossing of the Panama Canal © Maëva bardy / Tara Expeditions Foundation

パナマ湾沖に到着すると、最初のサンプリングが始まりました。計画が確定したのを受け、乗船しているチームは各々の役割を確認しました。

この科学探査船の計画とは、タラ号太平洋プロジェクトが3種のサンゴ、1種の魚、そしてサンゴと共生する何十億もの微生物に焦点を当てるというものです。

Porites lobata 1 _ Credit Lauric Thiault

Porites Lobata, a stony coral © Lauric Thiault / Tara Expeditions Foundation

Corail - Pocillo meandrina©Lauric Thiault

Pocillopora Meandrina, known as cauliflower coral © Lauric Thiault / Tara Expeditions Foundation

Millepora Platyphylla 2 _ Credit Lauric Thiault

Millepora Platyphylla, a fire coral © Lauric Thiault / Tara Expeditions Foundation

科学者たちは潜水する度に3種のサンゴを数グラム、周囲に生息するプランクトン、そしてサージョンフィッシュ(ニザダイ科の魚)を採取しました。全てのサンプルは船上で分類され、冷凍されます。これらのサンプルは船上から降ろされると世界中にある、パートナー協定をしている26か所の実験室へと送られました。

Coral team processing samples from the morning dive _ Credit Sarah Fretwell - Tara Expeditions FoundationThe coral team processes the samples collected during the morning dive © Sarah Fretwell / Tara Expeditions Foundation

このプロジェクトが研究対象としている数も、成果への期待も、共に大きなものです。タラ号太平洋プロジェクトで集められた貴重なデータは海と、地球における海洋生物のおおよそ3分の1が生息するサンゴ礁に関する総合的な知識を完成させることになるでしょう。

これら「タラ号のデータ」によって、サンゴ礁に生息する微生物が様々な環境外乱に対してどのように反応し、適応しているのか、またサンゴの回復へと向かう戦略とその周囲にいる微生物との関係性について理解が進むことでしょう。

Coral sampling - Credit David Hannan - Ocean Ark Alliance (1)Plankton sampling © David Hannan / Tara Expeditions Foundation

August 2016

タラ号はコロンビアのマルペル島に到着しました。もう一つの目的は、マルペル財団が行なっているジンベイザメに標識を付けることに対する支援でした。これらの美しい動物に一頭も遭遇しなかったにもかかわらず、科学者たちは途方もない変化に富んだ濃密な海洋生物多様性に驚嘆しました。これは、海洋保護区のプラスの影響と相まって、サンドラ・ベスード(Sandra Bessudo)の10年に渡るコロンビアでの海洋と沿岸の生態系保護促進への取り組みの成果です。動画でマルペルの巨大生物をご覧ください(Discover Malpelo’s giants in video.

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Malpelo Island, Colombia © Romain Troublé / Tara Expeditions Foundation

September 2016

フランス領ポリネシアで、タラ号はすぐさま現実に直面しました。最初のダイブでは、地球温暖化による海水温上昇の代名詞である深刻なサンゴ礁白化現象が確認されました。サンゴ礁は、白化現象が3-4週間以上継続しなければ回復できます。遺憾ながら、サモアでは乗組員が90パーセントのサンゴの表面が死滅していることを発見しました。80km以上の区域で、サンゴ群は最近の白化現象の影響を逃れることができませんでした。乗組員の士気が非常に下がりました。

Bleached coral in the Tuamotu _ Credit David Hannan - Ocean Ark Alliance - Tara Expeditions FoundationBleached coral © David Hannan / Tara Expeditions Foundation

40の群島の中で、キリバス、ツバル、パラオ、そしてウォリス・フツナ諸島で、同じ手順で採取された全てのサンプルは、良好な状態のサンゴ礁を見つけるのがいかに難しいかを示しています。このような遠く離れた所は、定期的な研究がされておらず、島民たちは全ての情報を入手したり、その状況を観察したりするための資源をあまり持っていませんでした。

January 2017

私たちの旅は北へ続きます。タラ号は、科学者たちにとって自然の水中実験場とも言える日本へ向かいます。式根の火山地帯では、海洋酸性化が広く確認でき、地殻の下を流れるマグマは、海底から気泡となって逃げてゆく二酸化炭素を放っています。日本におけるタラ号です、こちらをクリックしてビデオをご覧ください( Tara in Japan: click here to watch the video)。

Artificial reef in Japan _ Credit Nicolas Floc'h - Tara Expeditions Foundation

Artificial reef in Japan © Nicolas Floch / Tara Expeditions Foundation

福岡、神戸、横浜、東京。タラ号のライジングサン=日本訪問は、濃密で豊かとなる事を約束。日本の人々とスクーナー船の船員たち、科学者たちとの出会いは特別なものとなり、何千もの子供たちがタラ号と出会い、対話が生まれ、プラスチックゴミの問題について何度も話し合われました。タラ号財団の創設者エティエンヌ・ブルゴワ(Etienne Bourgois)は、日本にもタラ財団を開くことを決めました。一緒に協力できることはたくさんあります。

Deux_poumons_Maki_credit_NPansiot-2160445Maki Ohkojima, artist-in-residence aboard Tara © Noëlie Pansiot / Tara Expeditions Foundation

沖縄でのサンプリングを終了し日本を離れた後、タラ号の船員、科学者たちは、31日間の海上生活の旅に出発。フィジーに向け南下する中、プランクトンのサンプリングは定期的に、船上に備えた高速でイルカの様な、様々なネットを使って行われました。2009年から2013年にかけて行われた「タラオーシャンズ」探査のフォローアップとして、「タラパシフィック」は、サンゴ礁における生物多様性バランスをより良く理解するため、またサンゴ礁が温暖化や酸性化が進んだ海にも適用できるのか負けてしまうのかを予測するため、プランクトンの研究を引き続き行っていきます。データの必要性は大変大きく、タラ号は海の脈を診る様に、継続的にデータを収集していく必要があります。無駄にする時間はもうないのです。

September 2017

スクーナー船はニューカレドニアのチェスターフィールド諸島に到着します。そこでタラ号チームは、環境汚染から守られたと思われる聖域を発見しました。その地域のサンゴ礁には白化現象の兆候も、過去の痕跡も見られませんでした。なぜこの地域の保存状態が良いのか、誰もが科学的な結果を楽しみにしています。

Faaite atoll _ Credit François Aurat - Tara Expeditions Foundation© François Aurat / Tara Expeditions Foundation

インドネシア、フィリピン、ベトナム。タラ号は中国近海を航行しました。地政学的状況は複雑であり、サンプリング認可——全探査期間中の聖杯とも言える、有名なCITES(ワシントン条約)許可は発行されません。驚くことが起こっていますが、環境保全のための戦いもまた特別な関心事となっています。

March/april 2018

その後、中国に寄港しました。海洋問題についての東西対話がなされる一連の学術会議。遠征中に行われる地元の青少年への教育活動をより効果的なものにする啓発ツールが導入されました。海洋の生物多様性の保全と、気候の調整におけるサンゴの重要な役割について学ぶために、学生たちが代わる代わるスクーナーに乗船しました。また、地元の科学者がタラの乗組員と一緒にいくつかのサンプリングに参加する機会となりました(全コレクションは約3万6000個のサンプルで構成)。

Onomichi Japan 2 _ Credit Noëlie Pansiot - Tara Expeditions Foundation

© Noëlie Pansiot / Tara Expeditions Foundation

中国からハワイへ、向かい風をついて、乗組員は、実際には海面にはマイクロプラスチックは存在しないにもかかわらず誤って「プラスチックの大陸」と呼ばれている太平洋ゴミベルトを横断する準備をしました。ハワイでは、Maria Luiza Pedrotti(LOV)が組織した海洋のプラスチックを研究する専門チームがスクーナーに乗船しました。加えて、写真家のサミュエル・ボレンドルフ(Samuel Bollendorf)も乗船しました。環流で繁栄している海洋生物を研究し、マイクロプラスチックとの相互の影響を理解する機会となりました。

Mix between plankton and microplastic _ Credit Maéva Bardy - Tara Expeditions Foundation

Mixture of plankton and microplastics © Maëva Bardy / Tara Expeditions Foundation

August 2018

アメリカ西海岸沿いの帰路の途中で、クリッパートン島に寄港しました。大西洋に戻り、国連本部にて公海に関する法律についての交渉を開始するために、タラ号はニューヨークで最後の寄港を行いました。タラ号のチームメンバーは帰路を急ぎ、10月27日土曜日に(実際には始まったばかりの)科学的な冒険の旅を祝うことが予定されていた、ロリアンに帰港したことを喜びました。

世界最大の海洋、太平洋でサンゴ礁を探索し研究するという、当初の目標を達成するために必要とした2年半に及ぶ旅が終わりを迎えました。

1- Tara devant la Statue de la liberte_Celine Bellanger_Tara Expeditions Foundation

© Céline Bellanger / Tara Expeditions Foundation