地球のために活動するスクーナー船、タラ号

日本初のTARA-JAMBIOマイクロプラスチック共同調査

© N.Pansiot / Fondation Tara Océan

2020/01/29

プレスリリース

ヨーロッパの河川のプラスチック汚染を研究した

Tara Océan(タラ オセアン)財団が、この度日本でJAMBIOネットワ

ークと共同で日本の沿岸海域におけるプラスチック汚染の調査研究を

始めます

2003年より世界中を航海し、気候変動が及ぼす海洋への影響を研究し、果敢なチ

ャレンジを続けている科学探査帆船タラ号は、2019年暮れにフランス・ブルター
ニュ地方のロリアンにある母港に帰港しました。2019年5月から11月までヨーロッ
パが接する海洋をくまなく廻り、フランス国立科学研究センター(CNRS)がコー
ディネートする17の研究所と連携して欧州の主な9河川(テムズ川、エルベ川、ラ
イン川、セーヌ川、エブロ川、ローヌ川、テベレ川、ガロンヌ川、ロワール川)の
プラスチック汚染の実態を調査しました。タラ号の科学者(生物学者、環境毒物学
者、化学者、物理学者、海洋学者、モデリングの専門家)は陸と海を結ぶ45カ所で
2700のサンプルを採取しました。

この初調査の目的は、マイクロプラスチック汚染の発生源を特定し、河川での微細
化を理解し、海洋への拡散を予測し、その毒性を定義付け、海洋生物多様性と食物
連鎖への影響を調べることです。その結果、採取した全てのサンプルにマイクロプ
ラスチックが含まれていたことが最初の成果で明らかになりました。これらの
5mm未満のマイクロビーズや「2次マイクロプラスチック」は、海面上に5兆個は
漂流すると推定されているプラスチック片と類似の物です。『海面を漂流するおび
ただしい量のマイクロプラスチックは、流域(分水界)でも河川でも、到底回収不
可能です。マイクロプラスチックの海への流出を食い止める方法はどう考えても陸
にあります』と、Tara Océan財団のエグゼクティブ ディレクターのロマン・トゥ
ルブレは言います。

The coral team headed out for afternoon dive in Chichijima Island Japan_Photo Credit Sarah Fretwell_0Q8A3885 2 (1) - copie ©Sarah Fretwell / Fondation Tara Océan 

日本初のTara-JAMBIOマイクロプラスチック共同調査

日本のTara Océan財団は2020年にJAMBIO(マリンバイオ共同推進機構)と共に日
本列島沿岸でマイクロプラスチック汚染の研究プロジェクトを始めます。JAMBIOは
、筑波大学 下田臨海実験センターと東京大学 海洋基礎生物学研究推進センターの連

携協力により2009年に発足しました。現在は、北海道から沖縄まで日本沿岸の21の
マリンステーション、研究施設が連携しているネットワークです。JAMBIOとTara
Océan財団の科学者は、2017年2月から4月に「タラ号太平洋プロジェクト」で実施
した日本の広い海域でのサンゴのサンプル採取の経験等を基盤に、今回は日本の海
域のプラスチック汚染(マイクロプラスチック、ミクロの破片、ナノプラスチック
)について探査します。このプロジェクトのパートナー(ヴェオリア・ジャパン(株
)とアニエスベージャパン(株))の支援のもと、『私たちの活動に賛同してくれる
新たなパートナーがさらに加わり、彼らの専門知識や資金でこのプロジェクトをよ
り大きくしていくことを願っています』とロマン・トゥルブレは言います。目的は、
高濃度のプラスチック汚染が観測されている一方で、生物多様性に富む日本沿岸の
プラスチック汚染の度合いと、生物多様性への潜在的な影響を評価することです。目
的は『日本の海域でのプラスチック汚染という人為災害による環境破壊と海洋への脅
威を、世の人々に広く知らせることでもあります』と筑波大学 下田臨海実験センタ
ーのシルバン・アゴスティーニ助教は言います。日本は「プラスチック汚染が集中
する海域」の北端に位置しています。プラスチックは沖に運ばれると有名な北太平
洋ごみベルトの先の渦である「太平洋のごみ集積所」に到達します。

マイクロプラスチックの流入の実態と海洋生物に与える可能性のある影響

2020年4月より、Tara-JAMBIOプロジェクトのサンプル採取が以下のマリンステー
ションから始まります。北海道大学 厚岸臨海実験所、島根大学 隠岐臨海実験所、東
北大学浅虫臨海実験所、お茶の水大学 湾岸生物教育研究センター・館山臨海実験所
、筑波大学下田臨海実験センター等。各地での採取に伴い教育イベントも開催し
、3、4日を要する予定です。国際ガイドラインや「ミッション タラ号マイクロプラ
スチック2019」のプロトコルより、下田臨海実験センターが検証し設定した共
通プロトコルが適用されます。海水と堆積物からサンプルを採取し、そこに含まれ
ているマイクロプラスチックの量と付着している微生物の評価をする予定です。サ
ンプルの解析は、2013年より「タラ号海洋プロジェクト」のメンバ―である緒方博
之教授率いるバイオインフォマティックスセンター(京都大学)等、連携する研究
所で行われます。そこで、マイクロプラスチックの流入の実態と地元の海洋生物に
与える潜在的な影響の評価と定義付けが行われます。2019年6月に開催されたG20大
阪サミットで数値目標が明記され、警鐘が鳴らされたように「海洋生態系への影響
を考えると海洋プラスチックごみ対策は喫緊の課題です」

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